シェアサロンは美容業界を壊す「悪」なのか?――現場で感じる「教育」と「将来」のリアル
- 1月13日
- 読了時間: 4分
更新日:1月20日

こんにちは。
「シェアサロンなんて、業界をダメにする悪手だ」
「あなたは結局、自分の私腹を肥やそうとしているだけじゃないか」
シェアサロンを経営していると、そんな厳しいお言葉を頂くこともにあるんです。
なかなかキツイ事を言われますねー。 悲しいです。
自由な働き方ができる場所として注目される一方で、なぜ「悪」なんて強い言葉で叩かれるのか。
シェアサロンを経営し、私、自身も現場に立ち続ける美容師として、今の正直な想いを書いてみたいと思います。
一番の「悪」とされる理由:教育システムの崩壊
ベテランのオーナーさんたちが一番危惧しているのは、ここです。
「誰が次の世代を育てるんだ?」という問題。
これまでの美容室は、オーナー(先輩)が時間もお金も注ぎ込んで、何年もかけて一人のアシスタントをスタイリストに育ててきました。
その「育った人材」が、おいしいところだけ持ってシェアサロンへ流出してしまう。
これって、見方を変えれば「他人が一生懸命育てた果実を、横から収穫するだけ」の仕組みに見えてしまうんですよね。
店舗が一生懸命育成しても、結局、シェアサロンなどに流出してしまうのであれば、店舗では教育しなくなってしまいますよね。
この「教育の空洞化」こそが、業界を衰退させる最大の「悪」だと言われている本質なんです。
二番目の「悪」:自由という名の「無責任な突き放し」
そして、もう一つが「社会保険」の問題です。
今の「手取りの多さ」や「自由」をエサに人手を集めて、その実、将来のリスクはすべて「自己責任」という言葉で片付けてしまう。
社会保険がないということは、病気やケガ、出産、将来の年金もすべて自分一人で背負うということになります。
また、若くて健康なうちはいいけれど、ずっと同じように働ける保証はありません。
リスクをちゃんと説明せずに「稼げるよ!」とだけ言って働くのは、確かに無責任です。
結局、どうあるべきなんだろう?
じゃあ、シェアサロンはやっぱり悪なのか?というと、僕はそうは思いません。
これまでの美容業界が「教育」という言葉を盾に、美容師のプライベートや健康を犠牲にしてきたのも、また事実だからです。
長時間労働で心身を壊してしまった仲間。
低賃金ゆえに、子供に満足な教育を受けさせてあげられず去っていった人。
休みが取れず、我が子の運動会に一度も参加できない寂しさを抱える親。
私自身も
「他の店長は誰も子供の運動会に参加してないよ。」とか「美容師なんだから結婚式は土日には挙げてはいけない」
など言われたこともあります。
そんな犠牲の上に成り立つ業界が、健全だとは到底思えません。
憧れて入ったはずの美容の世界なのに、働く環境のせいで絶望して去っていく人をこれ以上増やしたくない。
それが私がシェアサロンを始めた原点です。
しかし、シェアサロンを「ただの場所貸し」で終わらせてはいけないとも考えています。
新しい「学び」の形: 雇用関係はなくとも、プロ同士が教え合い、自立した人間として刺激し合えるコミュニティを作ること。
「自立」を支える責任: 税金、保険、将来への備えといった「守り」の知識も伝え、美容師が路頭に迷わないようサポートすること。
この二つが、これからのシェアサロンに求められる「誠実さ」ではないでしょうか。
最後に
シェアサロンという仕組みそのものが悪いわけではありません。
「教育を放棄して、リスクを隠して、使い捨てにするような運営」が「悪」だと思います。
私は、美容師が不安や不満を感じることなく、健康に、自由に働ける環境を作りたい。
そのためには、従来のサロンが大切にしてきた「育てる文化」への敬意を忘れず、同時に「新しい自立の形」を本気で模索していく必要があると感じています。
……ちなみに。 こうしてお話しすると
「フリーランス推奨派」だと思われるかもしれませんが、
実は私は『Hair&Spa Kurcca』という正社員雇用のサロンも経営しています。
もし「こいつ、本当に美容師の将来を大切に考えているのか?」と疑問に思われたら、
ぜひ一度、クルッカの雇用環境も覗いてみてください。 https://www.kurcca.com/recruit001
私はシェアサロンという「働き方」を推しているのではなく、
「自分が幸せになれる働き方を選べる環境」
を推しているのです。





















